investment damage

CFD取引、CFDまがい取引に関する被害状況

CFDまがい取引で高齢者が被害にあう

CFD取引とは

CFD取引とは、差金決済を目的とした取引で、証拠金を業者に委託して、国内外の株価や金の価格、金融商品の価格や指数を参考にして取引します。

現在、証券会社で取引されるCFD取引は、株式、債券、指数先物、商品先物、EFTなどです。外国為替をFXであり、ロンドン渡しの金の指標を用いて差金決済を行うものをロコ・ロンドンといいますが、FXもロコ・ロンドンもCFD取引の一種とも言えます。

CFD取引の仕組みとリスク

現在、日本において証券会社が取り扱っているCFD取引は、ほとんどが相対取引で、取引の依頼を受けた証券会社は海外のCFD取引業者と カバー取引 [1] を行います。一方、カバー先となる海外CFD業者は、別のCFD取引業者にリスクヘッジをします。

世界的にみると レバレッジ [2] は約3倍~20倍で、インデックスやFXなどは100倍までで、日本のCFD取引業者が設定している レバレッジ [2] は最大20倍までと言われています。

CFD取引におけるFX取引ではスワップ金利が発生しますが、通常のFX取引とは違って、受取金利、支払い金利が逆になる場合があります。 例えば、ドルをFX取引で買いを注文すると若干でもスワップ金利が受け取れます。 しかし、CFD取引でFXを取引すると、業者に レバレッジ [2] をかけた分の現金を借りてドルを購入することになるので、日々業者に金利を支払うことになります。 逆に、売り建てした場合には、 レバレッジ [2] をかけた分のドルを売却して、その代金を業者に預けてあることになるので日々金利を受け取ることになるのです。

CFD取引では、 レバレッジ [2] による損失拡大のほかに、CFD取引業者、カバー先の倒産リスクがあります。また、カバー先とCFD取引業者との取引成立が前提となっていると思われるので、相場変動の激しいときには取引が成立しないというリスクがあります。

さらに、取引は各CFD取引業者が提供するシステムで取引を行うため、 スプレッド [3] や スリッページ [4] が不明瞭な業者もあります。

CFDまがい取引

CFDまがい取引業者の実態

悪徳業者は「CFD取引」とかたって被害者を勧誘して多額の証拠金の預託を受けますが、実際、カバー先を含めた運用は一切行いません。被害者との相対取引を行っているだけです。つまり客が損すればそれだけ会社が利益を得ることになります。最近の取引業者の中には、賭博、詐欺の主張をかわすために、カバー取引を行うところもありますが、実際は関連業者との間で帳簿上の取引をしているに過ぎません。

最初の数ヶ月は、配当が振り込まれるため、被害者は業者を信用するようになります。そのため、さらに投資額を増やして被害額を拡大してしまうことも少なくありません。数ヵ月後、被害者に対し、相場で損失が出たかのように見せて、預託した証拠金を一切返還しないようにします。

勧誘方法

勧誘の対象となるのは70代~80代の高齢者が圧倒的に多く、投資経験に乏しい一人暮らしの女性などが狙われます。

業者は「金の取引である」、「金利が毎月もらえる」などと述べて勧誘をします。最近は金融危機のために投資信託が大きく目減りしていることから、投資信託を保有している高齢者に対しては、「当社が扱っている商品のほうがよっぽど安全で儲かりますよ」と言って勧誘します。その結果、多くの被害者は、定期預金類似の高利回り商品と誤認して証拠金を預託します。

高齢者の中には銀行で投資信託を購入している人も多く、営業マンは銀行に電話して投資信託を解約させて現金化できたときに被害者を銀行まで送り迎えして契約を締結する場合もあります。

新会社を設立して同じことを繰り返す

これらのCFDまがい取引業者は、短期間に被害者を勧誘して、損害を発生させた後、意図的に会社を倒産させて、その後、新会社を設立して、同様な取引商法を勧誘する者も少なくありません

被害に遭ったのではないかとお悩みの方は

CFDまがい取引において、以上のような詐欺行為が繰り返されているのが実情です。

損失を被ってしまった等とお悩みの方は、遠慮なく当研究会までご相談下さい。ご相談には「投資被害の相談」をご覧ください。

脚注

  1. ^

    カバー取引

    証券会社や外国為替証拠金会社などが、客から受けた注文と同じ注文をカバー取引先に行います。これは、その会社にとってヘッジの役割です。つまり、相対取引では顧客が利益を出せば会社側の損失、顧客の損失は会社の利益となれば、利益相反になってしまいます。そのため、会社側は銀行等のカバー先と取引を行います。

    例えば、顧客からドル/円の買い注文を受注した場合、同じ数量、同じレートの注文を出すことで相場のリスクから開放されることになります。これをカバー取引といいます。

    カバー取引を行っている業者(例えばFX業者)に口座開設する際には、交付される書面にカバー取引の相手先を明示することが法令で定められています。

  2. ^

    レバレッジ

    もともとは「てこ」の使用を意味します。自分では持ち上げられないものを「てこ」を使って持ち上げることです。 現在では外国為替証拠金(FX)や商品先物取引や株式信用取引で使われ、現物を購入するより少ない証拠金で現物を売買できることをいいます。 レバレッジ30倍というのは、現物を1つ購入するに100万円かかるとしたら証拠金は3万円余りということになります。

  3. ^

    スプレッド

    売り買いの価格差をいいます。現在では、FXにおいてよく使われます。通常、FXでは売りの値段と買いの値段が違います。たとえば、買値が1ドル98円、売値が97円だとすると、まったく値段が動かなかった場合、98円で購入して97円で売らなければなりません。その差1円は確実に損失になります。このスプレッドがない、もしくは僅差という業者も増えています。

  4. ^

    スリッページ

    注文を出した値段で成立せずに不利な値段で約定してしまうことをいいます。ネットでトレードしている場合にはよく目にしますが、値動きの激しいときに、より大きなズレを生じます。値段は最小単位、円でいうと1円きざみで決まるものではないので、いたしかたないとも言えますが、会社側の姿勢としてスリッページはどの程度起こりうると明確にするべきでしょう。

    例えば、ドル/円で買いを建てていて、現在のレート89円、88円の売りのストップ注文を出した場合、87.97円で売りが成立してしまうように、自分が意図している値段よりも若干不利な値段で約定してしまうことをいいます。

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